終活とは?② 「Beautiful Ending」フューネラルドレス(エンディングドレス)
終活
エンディングノートとは
その名の通り、『自分の人生の終わりについて記載したノート』のことを指します。
法的効力がないものなので決まった形式はありません。
どんなものに書いても良いものなので、普通のノートや手紙の形式にしてもOK。
もちろん死後についてや葬儀の希望などを記載することもできますし、病気や不慮の事故などの万が一の際の時のことについても書き込めます。
年齢を問わず、身近な人が困らないように、という目的でエンディングノートを書く若い年代の人も増えているようです。
終活ブームの後、最近では文房具メーカーが『エンディングノート』として販売しているものもあります。
こちらは記入することがすでに決まっているものなので、空欄を埋めていく形で記入することが出来ます。
初めてのエンディングノートにはぴったりです。
早い段階でエンディングノートを書くことで、現在の自分の状況が把握できます。
経済状況はもちろん、保険や月ごとの継続契約の有無なども見直すことが出来ます。 より残りの人生を充実させるため、自身を見つめなおすきっかけになることも、エンディングノートを書くメリットと言えます。
いずれにせよ、エンディングノートは『残された遺族が様々な手続きを進めやすいように』、『葬儀などの死後の希望がある場合は遺族に分かるように』書いておくもの。
必ずどこにしまっているのか、などは家族や身近な人に伝えておくことが重要です。
エンディングノートに記載したい基本項目
エンディングノートには形式が決まっていないとは言え、必ず記載しておきたいことはいくつかあります。
いくつかの分類に分けて書いていくのも、分かりやすいエンディングノートを作るうえで重要といえるでしょう。
基本項目をご紹介しますので、是非お役立てください。
①自分自身のことについて
基本的な自分のことをはじめに記入します。
・本籍地
・住民票コード
・マイナンバー
・年金証書
・運転免許証番号
・健康保険証番号
・保険証・パスポート・通帳・印鑑などの保管場所
重要な個人情報を記載する場合は、くれぐれもノートを紛失したり、他人に見られることがないよう、しっかり保管してください。
②財産・資産について
どこの銀行に何の口座があるのか、を明確にしておくと、遺族が対応しやすくなります。
くれぐれも、銀行口座の暗証番号・クレジットカード番号や暗証番号などについては、不正利用の恐れがあるため記入しないようにしてください。
・預貯金
・金庫などに保管している現金
・金融資産
・不動産
・貸金庫
・貸出金
・借入金・ローン
・年金
・貴金属
・資産価値のある骨董品などのコレクション
③身の回りのことについて
普段利用していたサービスなどは解約の必要があります。
・定期購入サービス(サプリメントや食材、浄水器・ウォーターサーバーなど)
・インターネットサービス(携帯電話やインターネットのプロバイダー)
・登録しているSNSやショッピングサイト(パスワード・解約方法なども記載しておくと◎。クレジットカード情報を登録しているショッピングサイトなどは忘れずに退会・削除などの手配をしてもらうようにしましょう。)
・習い事やジム、スポーツクラブなど
④家族・友人について
万が一の際にスムーズに連絡が取れるよう、家族や知人の連絡先を記載しておいてください。
また、形見分けリストなどを作成しておくのもお勧めです。
⑤ペットについて
ペットと暮らしていた場合は、遺族が管理することになりますので、忘れずに記入しておきましょう。
性格や好き・嫌い、病歴やかかりつけ医などはもちろん、予防接種などの証明や手帳なども書いておくと、スムーズに新しい家族と暮らすための第1歩になります。
⑥医療・介護について
万が一の際、延命治療などについての決断は家族にゆだねられます。しかし、エンディングノートに記載しておくことで、最大限あなたの希望がかなえられることも。 忘れずに記入しておくのがお勧めです。
また、介護施設などの希望があれば、具体的な施設や大まかな希望などを書いておくのも良いでしょう。
・かかりつけの病院
・持病
・常用薬
・延命処置への希望
・ドナー登録の希望
・自己判断が出来なくなった際の希望
・希望する介護施設
・介護施設への入所や入院などに伴う費用捻出方法
⑦葬儀・お墓について
葬儀やお墓の形態も様々になってきました。
希望がある場合は、明記しておくことをお勧めします。
・進行する宗教
・葬儀の方法(家族葬や密葬など)
・納骨の方法・場所
・お墓について
・遺影写真の希望や写真の場所
・喪主になってほしい人
・葬儀に呼んで欲しい人
⑧遺言書・相続について
遺族同士でトラブルにならないよう、遺言書などを作成しているようであれば保管場所・遺言書の種類を明記しておいてください。
また、遺言書を専門家に相談して書いた場合などは、連絡先を記載しておいてください。万が一の際などの連絡手段があると安心です。
上記8項目が最低限エンディングノートに記載しておく事項です。
ただし、エンディングノートには法的拘束力はありませんので、最終的には遺族が決定・判断することを踏まえた上で書いていくと良いでしょう。
また、どんな形式で書くかも自由です。
自分史を盛り込んでいったり、銀行口座や保険などの忘備録として使えるようなものにしていくこともできます。
いずれにせよ、残りの人生をより豊かに過ごすために書くのが『エンディングノート』。
悲観的にならず、前向きな気持ちで記入していくのがポイントです。
お墓の準備
終活の中でも大きなウェイトを占めるのは、遺言書だけではありません。
葬儀の後、自身遺骨を納めるお墓の準備まで行ってこそ、滞りのない終活とも言えるでしょう。
地方では、菩提寺の先祖代々のお墓に納めてもらう方が多いかと思います。
しかし、家族が離れた場所に住んでいて、今後のお墓の管理が難しい、そもそもの先祖代々のお墓がない、といった場合が増えています。
そういった場合は、家族が住んでいる所に近い納骨堂を選んだり、永代供養塔などを利用することもできます。
基本的に、一度お墓に納骨すると、簡単に移動することはできません。『お墓を他に移す(改葬)』手続きも、短くて半年、墓地が遠方や山中などにある場合などはさらに時間がかかることもあります。また改葬を行うと、移転先として準備するお墓の費用だけではなく、元のお墓の解体・撤去・運搬費用もかかります。
新しくお墓を選ぶ際は、より慎重に進める必要があります。
お墓を準備しておくと、遺族への負担と相続税が軽減するというメリットがあります。どちらも大きなメリットですので、今のお墓をどうするか、これからのお墓をどうするかは、しっかり考えておく方が良いでしょう。
しかし、いざ始めてみると、案外大変な墓支度。終活でのお墓の準備について、ポイントをを見ていきましょう。
≪墓支度のポイント≫
■お墓について予め相談しておく
菩提寺にすでに先祖代々のお墓がある・そこに納骨を希望している場合以外は、まずは家族と話し合って必要なことを相談していきましょう。
新しいお墓を購入するのか、納骨堂や永代供養塔などを利用するのか、明確にしておくことが大切です。
新しいお墓を購入する場合、予算・場所・形式・墓石の種類や形など、希望がある場合は明確にしておくことをお勧めします。
■宗教・宗派を確認しておく
一般的な家墓の場合は、菩提寺の宗派に限定されます。寺院墓地は基本的に檀家のためのお墓ですので、納骨時にはそのお寺で宗派の戒名をつけます。そのため、「戒名はいらない・自分で戒名をつけた」等はトラブルの元になります。
宗教や宗派にとらわれたくない、という場合は寺院墓地などは基本的に避け、宗教・宗派を問わない民営墓地・公営墓地を選びましょう。
また、家族の負担を減らす目的で跡継ぎのいらないお墓にした場合でも、永代供養墓や本山納骨、寺院や教会などの納骨堂は、宗教・宗派が関係してくることがあります。
民営墓地の集合墓や納骨堂、共同墓(合祀墓)、樹木葬、散骨などを選ぶと、そういった問題を抱えることはなくなります。
■希望の墓地は見学しておく
墓地の立地は非常に重要です。残された家族がお参りすることも考えた上で選ぶことも、視野に入れて探すと良いでしょう。
選択肢が多く悩んでしまっている場合、見学に行くことで交通アクセスの確認になるとともに、や周囲の環境・雰囲気や実際の管理状況など、パンフレットやホームページからは分からないことを実際に目にすることが出来ます。
■お墓の費用を決めておく・用意しておく
お墓の費用は安価なものから数千万円まで、非常に幅が広くなっています。予め無理のない範囲で予算を設定しておくとよいでしょう。
また、生前にお墓を用意した場合、墓石代や永代使用料以外に、年間管理料がかかることがあります。実際にお墓に入るまで払い続ける必要がありますので、墓石や墓地の購入・使用料以外で必要な費用を算出し、用意しておきましょう。
■希望の墓地の費用・メリット・デメリットを確認する
希望の墓地がどのような制限を設けているかも選択のポイント。
永代使用料や年間管理費は、希望の土地の相場によって大きく変化しますので、都市部の墓地と地方の墓地では大きな開きが出てきます。一等地にある霊園では、公営の場合でも費用は高額となります。予め相場も確認しておくとよいでしょう。
それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう。
【公営霊園】経営主体・管理:自治体
永代使用料の目安:数十~110万円程度 / 年間管理費:2,000~10,000円程度
メリット
・比較的費用が安い
・宗教・業者の制限がない
デメリット
・公募での抽選なので当選しないと利用できない
・利用条件が自治体によって異なる
・公営のため書類などの手続きが煩雑
【民営霊園】経営主体:宗教法人や民間企業など / 管理:民間企業(石材店など)など
永代使用料の目安:数十~150万円程度 / 年間管理費:5,000~15,000円程度
メリット
・宗派・宗教などは自由度が高い
・1基の区画面積や墓石デザインなどを自由に選択できることが多い
・法要施設・駐車場などの環境が充実している
デメリット
・開発費用・管理費用などの回収のため、管理費などが割高の傾向がある
・運営元の経営破綻のリスクがある
・墓石購入の際は石材店に指定がある
【寺院墓地】経営主体・管理:宗教法人(寺院)
永代使用料の目安:数十~100万円程度 / 年間管理費:10,000~20,000円程度
メリット
・手厚く丁寧な僧侶の回向を行ってもらえる
・法要時には寺院を使用できる
デメリット
・寺院の継承している宗派への改宗が必要
・檀家になる必要があり、檀家量などの負担が増える
・石材店の指定が多く、墓地面積・墓石デザインに制限がある
【共同墓地】
昨今では『共同墓地』に対する意味が異なってきています。
昔ながらの共同墓地は、『同じコミュニティー(地域)に住む人が一か所にお墓を作る墓地』という意味でした。
しかし新しい意味での共同墓地は、いわゆる合祀型のお墓を指します。大きな供養塔内部などにたくさんの遺骨を納める形です。
そのため、ここでは昔ながらの共同墓地について説明します。
経営主体:自治体 / 管理:自治体(墓地管理組合)
永代使用料の目安:すでに代々のお墓があるため不要 / 年間管理費:コミュニティーによって大きく異なる
メリット
・家から近い場所にある
・費用が安い
・町内会などの自治会での管理のため安心
デメリット
・管理の質が自治体の管理体制による
・基本的に村落などのコミュニティーに住んでいる必要がある
・墓参りの度に隣近所と顔を合わせることが多い
≪お墓を準備する流れ≫
墓地や墓石などの希望が固まったら、いよいよお墓を建ててみましょう!
①霊園・墓地を絞り込む
ポイントでもご紹介した通り、宗派や希望などから墓地を選びます。実際に見学して雰囲気などを見ておくのも良いでしょう。
②霊園・墓地が決まったら申し込む
希望の墓地・区画が決まり次第、『墓所使用契約』を結びます。
契約時、お墓の土地を取得するときにかかる費用の『永代使用料』の支払いがあります。これは墓地代ともいえるもので、契約した時の一度のみの支払いとなります。
③建墓のための石材店を選定する
墓地の申し込みが済んだら、いよいよ石材店を決めていきます。
民間霊園などでは指定石材店がある場合が多いので、申込時に案内された石材店の中から選んでいきます。
指定のない場合は、いくつかの候補を選び、相見積もりをとった上で比較されると良いでしょう。
④墓石を発注する
見積もりの中から、ご自身とご家族が納得できる石材店を選んで、墓石を発注します。
日本古来のお墓の形の『和型』、刻む文字などが自由でバラエティーに富んでいるため近年人気のある横型の『洋型』、個性を重視し、世界に一つだけのお墓をデザインできる『デザイン墓石』などの形があります。
希望の形・使用する石・彫刻の内容や書体などを決めて注文します。国内産出の石は150~200万円、外国産出の意思は150~200万円など、使用している石によっても値段が変わります。
墓石工事内容やお支払い条件などをしっかり確認しておきましょう。
⑤墓石完成・引き渡し
契約時の工事内容に基づき、墓石の施工がスタートされます。墓石発注から引き渡しまで、一般的には2~3か月程度かかります。
⑥開眼供養・納骨法要を行う
完成し、引き渡しが終わっただけではお墓を使用することが出来ません。寺院などに依頼し、『開眼供養(法要)』を行うことで『お墓』として完成します。ご家族や親戚などと一緒に行いましょう。
すでに遺骨がある場合は、開眼法要と同時に『納骨式』が執り行われます。
お墓を決めるのは一生に一度のことなので、ご家族ともよく話し合うことが大切です。
ご自身やご家族との思い出の場所や、お墓参りに行きやすい霊園など、選ぶポイントはご家族によって変わってきます。
悔いのないお墓支度こそが、終活の最大のポイントとも言えるでしょう。